外套・鼻 (岩波文庫)
価格: 483円 レビュー評価:4.0 レビュー数:11
ロシアの下級役人であり、とても面白い名前のバシマチキン・アカーキイ・アカーキエヴィッチ(バシマチキンは短靴の意、アカーキイは父の名前、それを重ねるのが少しユニークなことらしい。私の解釈では日本人で例えるならきっと『鈴木 鈴木夫さん』くらいの感じか?)は下級かもしれませんが、誠実に勤める役人です。内気な面もあって職場でも浮いた存在ですが、仕事に誇りを持つ職人かたぎとも言える人物です。そのアカーキエヴィッチが遭遇する不条理な話しです。
とても不思議なトーンで語られるこの民話のような話しは非常に不条理で、途中までカフカを思わせるような(それでいて私はカフカにはあるズレる